5kmのタイムを上げる練習とペース

5kmのタイムを上げるには、週の大半をゆっくり走り、スピード練習は絞って入れます。目安はインターバル走1回、閾値走1回、ジョグの後の流し、そして週2回の筋トレです。練習ペースは目標タイムではなく今の記録から決めます。レース本番は一定のペースで走ります。25分が目標なら、1kmごとに5分00秒です。

5kmを27分30秒から25分00秒にするには、1kmあたり30秒速く走る必要があります。合計すると2分30秒で、「たくさん走る」だけでは縮まりません。ここでは、1週間をどんな練習で組むか、それぞれ何分ペースで走るか、そしてレースの最初の1kmでタイムを失わない方法をまとめます。

5kmのタイムを上げる第一歩は、今の実力を測ること

この記事のペースはすべて今の記録から計算します。直近1か月のレースか、全力で走った5kmのタイムトライアルを使ってください。トラックや平坦なコースが理想です。最近10kmを走ったなら、リーゲルの式で換算できます。10km 50分00秒は5km 約23分59秒、55分00秒は約26分23秒に相当します。

ほかのランナーと比べた自分の位置は、5kmの平均タイムの記事でわかります。この記事はその次、練習で何を変えるかの話です。

レースタイム予測

10kmやハーフのタイムを入力すると、今の5kmの実力がわかります。

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1週間の大半はゆっくり走る

スティーブン・セイラーは2010年のレビューで、週10〜13回練習する国内・国際レベルの持久系選手についての記述的研究をまとめました。練習の約80%は低強度で、約20%がVO₂maxの約90%で行うインターバルのような高強度の練習です。すでによく鍛えられた選手では、高強度のインターバルを増やすほど長期的に伸びるという説得力のある根拠はない、とセイラーは結論づけています。

市民ランナーについては、ムニョス、セイラーらの実験(2014年)があります。30人のランナーが10週間、2つのプランのどちらかで練習しました。一方は時間の約77%が低強度、3%が中強度、20%が高強度。もう一方は中強度の割合が多く、46%、35%、19%でした。どちらのグループも10kmのタイムが縮まり、改善は5.0%と3.6%でした。グループ間の差は統計的に有意ではありませんでしたが、割り当てられた配分を最も忠実に守ったランナー同士で比べると、低強度中心のプランのほうが伸びは大きくなりました。

つまり、ジョグは本当にゆっくり、会話がふつうにできるペースで走ります。心拍数でのペースの決め方はゾーン2ランニングの記事で解説しています。

インターバル走と閾値走のペースは今の記録から

きつい練習は週に1〜2回が一般的で、それぞれ目的が違います。インターバル走は、5kmのレースペースより少し速く3〜5分走り、間をジョグでつなぐ練習です。閾値走(テンポ走)は、会話は難しいけれど最後まで落ちないペースで20〜30分走り続けます。

表のペースはダニエルズのモデルで計算しています。VO₂max計算機も同じモデルを使っていて、レースの記録を入れると、どのタイムでもジョグ、閾値走、インターバル走のペースが出ます。

今の5kmの記録から出す練習ペース、1kmあたり(ダニエルズのモデル)。
今の5kmジョグ閾値走インターバル走
35:008:17〜9:487:15〜7:356:34〜6:50
30:007:11〜8:326:16〜6:345:40〜5:54
27:306:37〜7:535:46〜6:035:13〜5:26
25:006:03〜7:145:16〜5:314:45〜4:57
22:305:29〜6:344:46〜5:004:18〜4:29
20:004:54〜5:534:16〜4:283:51〜4:01

インターバル走のペースはレースペースより速くなります。5km 25分00秒のランナーなら、レースは1km 5分00秒、インターバルは4分45秒〜4分57秒です。だからペースは今走れるタイムから決めます。目標タイムから決めると、1本1本が予定よりきつくなります。

インターバル走そのものは古い方法です。1950年代にエミール・ザトペックが広め、ベロニク・ビヤの2001年のレビューによると、それ以来コーチたちは800mから5000mのレーススピードを基準に1本ごとの速さを決めてきました。

5kmに向けたインターバル走の定番は、1000m×5本をインターバルペースで、間に2〜3分のジョグです。1000mがまだきつければ800m×4本から始めます。閾値走の定番は、20分走か、1分のジョグをはさんだ8分×3本です。どちらも15分のウォーミングアップから始め、クールダウンで終えます。

ジョグの後に流しを入れる

流しは、速いけれど力まないスピードで15〜20秒走る動きを4〜6本、息が整うまで歩いてつなぐ練習です。週に1〜2回、ジョグの最後に入れます。これはコーチの現場での慣習で、流しだけの効果を5kmのタイムで調べた研究は見つかりませんでした。

筋トレとジャンプで、距離を増やさずに速くなる

パーヴォライネンらフィンランドの研究グループ(1999年)は、よく鍛えられた持久系選手を9週間追跡しました。2つのグループの総練習量は同じでしたが、実験群(10人)では練習の32%を爆発的な筋力トレーニングに置き換え、対照群(8人)ではその割合が3%でした。5kmのタイムが縮んだのは実験群だけで、VO₂maxは変わりませんでした。著者らは、ランニングエコノミーと筋パワーの向上が理由だとしています。

ブラグローブらのシステマティックレビュー(2018年)は、中・長距離ランナーの筋力トレーニングに関する24の研究をまとめています。ランニングエコノミーは多くの研究で対照群より2〜8%向上し、1.5〜10kmのタイムトライアルも改善する傾向がありましたが、すべての研究でそうだったわけではありません。著者らは、種類の違う筋トレを組み合わせて週2〜3回行うとランナーにとって有益だろうと結論づけています。

週5回走る場合の1週間の例

これは研究のプランではなく、上の要素で組んだ一般的な例です。ペースは今の記録に合わせて表から選んでください。

5kmのタイムを上げるための1週間の練習例。
曜日練習
月筋トレとジャンプ
火インターバル走:アップ15分、インターバルペースで1000m×5本、つなぎはジョグ2〜3分、ダウン10分
水ジョグ30〜40分と流し4〜6本
木ジョグ30分
金閾値走:アップ15分、閾値ペースで20分、ダウン10分
土休養または筋トレ
日ゆっくりのロング走50〜70分

週3〜4回しか走らない場合は、きつい練習を1回にして、インターバル走の週と閾値走の週を交互にします。ほかはすべてジョグです。

レースでは目標タイムを1kmのペースに直す

目標タイムは、1kmあたりのペースとトラック1周のタイムで覚えておくと走りやすくなります。距離表示ごとに時計で確認できるからです。

5kmの目標タイム、必要なペース、400m 1周のタイム。
5kmの目標1kmのペース400m 1周
35:007:002:48
30:006:002:24
27:305:302:12
25:005:002:00
22:304:301:48
20:004:001:36

アビスとローセンは2008年のペース配分に関するレビューで、2分を超える種目ではペースをより均等に配分したほうがタイムがよくなる可能性があるとまとめています。5kmはまさにそういう種目です。

いちばんタイムを失いやすいのは最初の1kmです。脚は元気で、周りにつられて、ペースは簡単に予定よりかなり速くなります。そのつけは3km目と4km目に回ってきます。ランナーは最初の1kmを目標ペースちょうどで入り、上げるのは最後の1kmにするのが一般的です。1kmごとのラップは、均等でも後半を速くする形でもスプリット計算機で出せます。

効果が出るまでの期間

ここで紹介した実験は9〜10週間でした。自分の練習でもそれくらいが目安です。2〜3か月後にもう一度5kmを測り、ペースを計算し直して、新しい記録から練習を続けてください。

ダニエルズのモデルとリーゲルの式は、平坦なコースと穏やかな天候を前提にしています。暑さ、風、坂があると同じ努力でもタイムは遅くなるので、そういう日は時計だけでなく体の感覚も頼りにしてください。

よくある質問

5kmを25分で走るには?
1km 5分00秒、400mトラック1周2分00秒のペースが必要です。練習は今の記録から組みます。27分30秒なら、インターバル走は1km 5分13秒〜5分26秒、閾値走は5分46秒〜6分03秒です。タイムトライアルが25分00秒に近づいたら、ペースを計算し直してください。
5km 20分切りの練習ペースは?
20分00秒には1km 4分00秒、400m 1周1分36秒のペースが必要です。リーゲルの式では10km 41分42秒に相当します。すでに5kmを20分00秒で走るランナーなら、ダニエルズのモデルでインターバル走は1km 3分51秒〜4分01秒、閾値走は4分16秒〜4分28秒です。
5kmのタイムを上げるには週に何回練習すればいい?
市民ランナーでよくある組み方は週3〜5回のランで、きつい練習は1〜2回、残りはジョグです。これに筋トレを2回加えます。ブラグローブらのレビュー(2018年)は、週2〜3回の筋トレがランナーにとって有益だろうとしています。
1か月で5kmのタイムは縮まる?
この記事で紹介した研究は、9〜10週間後に効果を測っています。1か月でいちばん手早く縮められるのはペース配分です。最初の1kmを目標ペースより速く入らなければ、3km目と4km目で失うタイムが減ります。
5kmに効くインターバル走のメニューは?
3〜5分の疾走を繰り返す形が一般的で、たとえば1000m×5本や800m×4本を5kmのレースペースより少し速く走り、間に2〜3分のジョグを入れます。今の記録に合ったペースはVO₂max計算機で出せます。